2010年4月法話

いよいよ4月春盛りになるこの頃です。3月お彼岸を終え寒さも終わりかと思いきや、月末まで雪のちらつく寒さでした。26日のお涅槃会ではストーブと火鉢が大活躍でした。例年通りの法要を済ませたあと、昨年の如くニルバーナコンサートが行われました。今回はシタール奏者の伊藤公朗氏、奥様の美郷さん、息子さんの快さんの三名をお迎えしてのコンサートでした。シタールは、名前は知っていましたが見るのも聞くのも初めてでしたが、伊藤氏の自薦するのが頷けるお寺の雰囲気でした。お釈迦様もシタールも、インド発祥ということで何かしらつながったものを感じました。それにもまして伊藤氏家族の舞台衣装に驚き、インド伝来の服装は一目で観衆を異空間に引き入れてくれていました。

2年間コンサートを行わせていただきましたが、お寺として何をどこまでやって良いのかはいつも自問自答です。音楽をお寺で聴くことを楽しみにしてくれる人も多くいることも解りました。お寺のすることに賛成してくれる人が多くいますが、お寺でこんな事しなくても、と言う方がおられてもおかしくありません。来年に向けて、さらに考えさせられるような気がします。

また、お涅槃会では一昨年より、副住の写真に住職の書を載せてポスターを作製しております。一昨年は観音様、昨年はお地蔵様に「慈愛」の字、そして本年は蓮のつぼみに、正法眼蔵生死の巻の一節を書かせていただきました。お檀家さんに伺いますと、丁寧に額に入れて仏壇の横に置かれている方もいらっしゃいます。ポスターですのでお好きなところに飾っていただき、仏教の教えを感じていただければ幸いです。

3月31日は先代30世量功顕一大和尚の命日です。亡くなって4年が過ぎましたが、やはりこの日が来るとまざまざと当時の状況が思い起こされます。今年は法要はありませんが、霊供膳をお供えし、香を焚いて一日穏やかに過ごさせていただきます。

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さて、ご法事の流れについて、前回お経の第一段を書かせていただきました。少し戻ります。

準備が整いますと、衣とお袈裟を付け、仏前に立たせていただきます。まず丁寧にご焼香をし、霊供膳の箸を取り香に薫じ、偈文を唱えながら生飯を取ります。この生飯は、供養対象の仏様のみならず、万物の為に供養すると言うことで、わずかですがご飯を別にして、後で外の生きものに施します。

着座して開経偈、三尊礼文をお唱えします。この導師する私の力のみならず、お釈迦様、高祖様、太祖様を深く心に念じ、ここにご降臨を賜り、力になってもらうようにとの思いです。さらには数珠をすりあわせ、私のけがれを無くし、清浄なる身と心でお経をはじめさせていただきますという準備が整います。そこで第一段の般若心経の読誦となります。参列している方々には一々説明はいたしませんが、導師の立ち振る舞いにて、厳かなる雰囲気、気分に持っていければと思っております。それ故、衣とお袈裟も、色のついた刺繍のものを用いさせていただいております。