2008年11月法話

11月、霜月となりました。当地では11月初め、種苗交換会が県内持ち回りで開催されます。今年はにかほ市で開催されています。その名の通り種や苗の交 換という、農家の人たちにとっては県内の情報を得るための重要な行事だったのでしょう。今も農作物の展示即売、農機具展示等々、多くの人が詰めかける大行 事となっております。今年は稲も豊作となり、喜んでは見ても他の事情で喜んでばかりいられない状況のようです。マスコミでも毎日毎日色の安全に関する報道 がされておりますが、どれもこれも自分が良ければいい、他の人の事は考えないという食に関しての思いがそうさせている気がします。自分が食べる物と考えた ら実際そういうことが出来るはずはない。見た目を気にし、安価を追求続けさせられる生産者だけが問題なのでなく、それにあやかる消費者こそ今までの思いを 反省すべき時ではないでしょうか。我が家も少しばかりの畑で80過ぎの老母と緑多き食材を作っておりますが、実際作った人にしてみれば、形がどうの大きさ がどうのとは言っておれません。汗の結果を、ただ食として命を頂いているありがたさを思っております。

この交換会の時期になるとアラレ が降るとよく言われました。暖房も少し控えている今が体にとっては一番寒さを感じる時かもしれません。厳しい寒さに体が慣れてくると諦めの気持ちが出てき ますが、まだまだやらなければならないとあくせくしている今、体をいたわりつつ冬支度せねばと思っております。

今年はことのほか紅葉が きれいで、これも台風の影響がなかった由と思っております。落葉集めに近くの幼稚園児が今年も訪れました。はしゃいだ華やいだ声で一時境内に時ならぬ花が 咲いたようでした。一生懸命集めた葉っぱでの焼き芋パーティはきっと楽しい事でしょう。また今年は菊作りをやめたせいで秋の作業が一つなくなり、華やかさ が無くなり寂しい気もします。菊作りの手間と私の時間を天秤にかけてしまった事が残念ですが、年とともにやれる範囲もまた変わってしまいます。代わりのダ リヤも勉強不足で今ひとつ、来年こそはと考えています。

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さて、般若心経の続きです。

「三世諸仏 依般若波羅蜜多 故得阿耨多羅三藐三菩提」

三世諸仏とは、過去・現在・未来の三世におられます仏様のことです。歴史上仏陀となられたお釈迦様ですが、お釈迦様以前にも仏様たる人がおられたに違いな いとして、6人のお名前が挙げられております。この仏様達を過去仏と言います。さらに次には、お釈迦様の後にも必ずや仏様が現れるとして弥勒仏が挙げら れ、未来仏とされます。これらの仏様以外にも、多くの仏様が出現さられた、またされるだろうと言う事で三世にわたる仏様達といいます。

この方々は、般若の智慧により真実の空の世界に目覚められたが故に、この上ない最高で完全な悟りを得ることが出来ました。来世に仏になっていただくのはあ なた自身と考えて、今ここでこの時を無駄にする事なく修行し、いわゆる菩薩様としてあなた自身がおられると考えます。お釈迦様が歩まれた道こそ最上とし、 煩悩を断ち、智慧により目覚め、怠りなく努め続けていく事が大切です。