2014年1月法話


新年あけましておめでとうございます。
皆様の新年が明るい輝かしい一年でありますことを祈念申し上げます。

本年は「うま」年です。午とも馬とも。私も馬年で1月3日生まれ。還暦になります。一巡りしてこれからまた新たな人生が待ち受けているのでしょうか。今までやってきたことがすべて成就したわけではないので、これからも引きずっていくことになるでしょう。物事一つ一つに新たな方向性を示し、今までを一つの区切りとしてさらなる発展を考えていかねばと思っております。しかし、いかんせん老が待ち受けています。いままでの体の維持とこれからの体の維持では自ずと違いが出てくるでしょう。あせらず、忍耐強くこれからの状況をよくわきまえてコツコツと新たな人生を楽しめれば幸いです。

私の名は晃一。晃はあきらか、かがやく、という意味でしょうか。一番に光輝くのはいつの日か、一番でなくても自分らしく光輝いたと思える日を目指していきたいと思います。

今年はどのような年になるのでしょうか。政治が変えてくれるのでしょうか。変えて欲しいと思う人と思わぬ人があろうかと思いますが、今がだめだと思う人は変わって新たな社会で新たな挑戦と思うでしょうし、今まで通りでいいと思う人は維持することに窮窮として結果しぼんでしまうかもしれません。何をどうしたら良くなるという万能薬はありません。目指すことに日々力を注ぐことに怠らなければその日その日が充実したものになるのではないでしょうか。人はどこまで行ったら満足するのか、その日その日が満足の積み重ねであれば愚痴を言わずともすむのでしょう。そこが安心(あんじん)というのでしょう。

今年は昨年とは違い雪もまだ少なく寒さもそれほど感じません。これからでしょう。一面真っ白になるのももうすぐ。この雪があってこそ春の農耕の用水になります。この寒さがあってこそ植物の芽がしっかりと身を固め、温かさと共に芽吹き花を咲かせてくれます。春夏秋冬とはいいますが、一年の始まりは冬です。冬があってこその春夏秋です。私もじっと寒さと雪と対峙して一年の大事に備えることとします。

*****

師の書に「晏如」(あんじょ)二字の茶掛けがあります。晏には遅い、日が暮れる、空が晴れる、あざやかなどの意味がありますが、晏如の晏はやすらかの意でしょう。晏如で安らかな様子、ということです。お正月にこの字を掛けてみました。対峙して座ってみますと、今年一年安らかであって欲しいという思いが募って参りました。晏の縦長の字に如は寄り添うように、軽やかに筆が動いているものの、線の柔らかさが心の不安を取り除いてくれる作です。