2013年7月法話


6月は忙しい月となりました。二男卓爾の僧としての出世式の一つ、法戦式を修行させて頂きました。90日間の修行期間を設け、ひたすら行に明け暮れる日々を送るのですが、その中で修行僧の一番目として仏法を戦わせる重要な一日です。一代一回の大行持です。近隣の僧と同じく修行した友人で40名ほど、さらに総代、世話人、壇信徒、親族と本堂いっぱいの人の前で堂々と問答をする姿はたくましい感じを思わされました。与えられた修行題目は従容録中の「達磨廓然」、その解説を西堂老師より提唱して頂き、それにちなんだ問答7問、大きな声で揺るぎなき呼吸で無事に終える事が出来ました。お役の僧よりお祝いの一言を順に頂き、法幢師として私がトリを務めました。
「法戦堂々修道の力、白鶴山中仏光輝く-日々おこたることなかれ!」

雨の少ない6月で梅雨はどこへやら、母亡きあと一年、作付けしなかった畑に見よう見まねで植えた野菜を少しずつ収穫しています。しかしこの少雨で大きくもならず立ち枯れ寸前です。昔権現様を外に出して雨乞いをいたと聞いていましたが権現様もいらっしゃらずどうしたものか。

雨が少なくても鉢のサツキは咲いてくれました。やや遅れてはいましたが何とか見られる鉢を本堂前に並べさせて頂きました。昨年根洗した鉢は元気が回復せず花も少なかったのですが、本年もまた半数くらい根洗をして、あと十年は大丈夫と整然と並んだ鉢棚を眺めては自分をほめてやりたいくらいです。また一年、来年の花の為に尽くさせて頂きます。

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師の作に「清風匝地」の軸があります。この言を師は何度か書いていたように記憶しています。今出ているのは半切軸で白の地模様に紺色で覆輪をとった洒落た一幅に出来ています。五月若芽が出だした頃、そして今緑深くなっていますが、窓から入り込む風はどこから来るのでしょう。得も言われぬ爽快感です。まさに清風が地を匝って今自分が感じているこの瞬間が実にすばらしく、その場に会う事が出来た幸福を感じずにはいられません。

風はいずこより来ていずこに帰るのか!理屈抜きで肌で感じたままでいいのでしょう。師は黙窓の号を使っていました。窓には様々な事がうつし出されています。朝日の赤、風の爽やかさ、雨に流れるしずくの跡、夜の月明かり。いい事ばかりではありません。自分の心そのものを夜の窓はうつしてくれます。ゾッとする時もあります。そんないろんな思いのつまった窓に黙すること、こだわらぬ事が出来ればそこが禅定でしょう。

「黙窓」多くは語りませんでしたが、まだまだ師の思いはあるのでしょう。その窓からの風の爽やかならんことを。


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