2013年2月法話

寒中お見舞い申し上げます。一年で一番寒い時です。昨年同様、いやそれ以上に寒さと雪で当地でも対策に苦慮しております。ご法事などで檀家さんにお邪魔しても、寒さと雪のお話に始終してしまいます。私も毎朝1時間から1時間半ほど除雪に追われます。幸い小さな除雪車での作業で、細かい作業は手作業ですが、少し太り気味が心配な私にとっては体を動かすことにはなりません。それでもこの時間は、せっせせっせと働くこと自体、日々の務めとして自他共に有益なことになっていると思います。そう思わないと、つらい作業なのでついつい怠りがちになってしまいます。皆様もあと半月?作務三昧となりそうですが、気力を保っていただきたいと思います。

本年に入ってもテレビをつけると思いもよらない事件ばかりでびっくりしてしまいます。親族による殺人事件、銃を持つ国での乱射事件、そして宗教の名をかたってのテロ事件など、世界中で何かが狂ってきているような気がします。社会が、ことさら産業部分ではグローバル化というのでしょうか、どこへも行けるという世界が広がっていますが、いざ何か事が起こると対処の方法を持っていないのが日本だなと思います。日本人は日本にいるときは他の人に危害を加えられるという思いを持たず、誰をも信用しすぎているかもしれません。(今では少し怪しくなってきていますが。)そこが日本の良いところでしょうが、世界には通用しないようになっています。人にあったら疑ってかからなければならないのは残念な事です。仏教と他教との違いなのでしょうか、そんなはずはありません。仏教を騙っての事件がないことを祈っていますし、そうでなければならないと肝に銘じております。他を思いやることで防げることが多く有ることでしょう。自も他も仏様、どちらも尊い身という事を忘れずにいてもらいたいと思います。

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さて、師の書に一幅の茶掛けのようなものがあります。

「閑愁如飛雪 入酒即消融」
しずかな庵で思いにふけっているのは飛ぶ雪のようだ。そんな時間も雪のように酒に入ってしまうとあっという間に消え去ってしまう、という事でしょうか。雪国の我々にとって飛雪は厳しさの象徴のようなもので、思いにふけっておられないのがこの時期ですが。この詩ではお酒に入って消え去ってしまう雪のようなものが現実とみています。一つのことに執着してしまうのが我々です。酒に入った如く飲み干してしまうのが得策でしょう。どんな悩みか愁いか大小問わずに。
詩の出典が見つからないのですが、師が選ぶ詩には「酒」が入るのが多いです。飲み出すと一升、といわれた父にとって、お酒は人生の大きな一面になっていたのでしょうか。酒に飲まれないように気をつけなければ!
作品は、整った線で気品がある、引き締まった優美な隷書の作になっています。こんな作を書くときは決してお酒は入っていません。気持ち、感情の高揚を抑えてこその作品と思います。


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