2012年8月法話


白神山地・岳岱の400年ブナ

8月、暑い日が続きます。梅雨明けして蒸し暑い日が続いていましたが、この一ヶ月は夏らしい暑さになるでしょう。酷暑とも呼ばれる様な日が連続で、熱中症の方も多く見られます。水分補給と温度調整で何とか乗り切っていかねばなりません。

なんと言ってもお盆の月です。仏教徒にとって最大の年中行事です。ご先祖さんに感謝し、恩返しの日暮らしが、日々窮窮と過ごしている私たちに安らぎを与えてくれます。心を込めて手を合わせてもらいたいものです。

そのお盆を乗り切るためにも暑さ対策が必要です。昔、私が小さかった時は、熱中症などの言葉はなかったのですが、「はくらんをおこす」という言葉があり、これがいわゆる暑さ負けでした。体がだるく、何もする気がない時には祖母が薬をくれました。【神薬】という薬で、濃い液状のものをつめたい水で溶いて飲むのですが、スーッとした爽やかさと独特の甘みで体を立て直してくれた感が有りました。何というか、いわゆる気付け薬の様なものでしょうか。漢方薬だったんでしょうか。昔はそんな民間療法が多く有った気がします。

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 さて、師・黙窓の書に『清風匝地』の軸があります。半切の大きさに一行の行書作。筆の表を見せ裏を見せて、紙に突き刺さった起筆、風が過ぎ去った様な軽やかな終筆。すばらしい作品に仕上がっています。大應録に(紅日當って門に照らし清風匝地寒まじ)と有り、また碧巌録には(清風匝地何の極まりか有らん)と有ります。禅語の中からの四字ではありますがこの四字で十分一般的な語になっているように思います。

書の作品は線が強ければいいのか、雰囲気だけでいいのか、技術的な用筆だけでいいのか、さまざまなとらえ方が有りますが、その時作者が何を思い、何を感じ筆を取ったのかで表情が変わってしまいます。毎日毎日筆を取って手を慣らし、感性を磨き、古典を習うことで技術を身につけるのですが、長年の積み重ねが作品に表れます。師の作品はその基礎に精神的な緊張感が加わり、澄み切った作になったのは見事です。中々到達できる世界ではありません。この作を書く時にきっと書室に気持ちいい風が入ってきたのでしょうか。その風を感じさせてくれる作品です。

表具も大切な要素になります。すっきりした作に白の地模様の着物を着せているのもさすがです。表具の技術もしっかりしていて何年たってもすっと落ちついた掛け軸になっています。


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